ここ数年でリリースされたCML2の概要について掲載します。
CML2とは
CML(Cisco Modeling Labs)とは、Cisco IOSなどのノードを動作させることができるシミュレータです。前身はVIRLやCMLで、それらが統合されCML2となったようです。
CMLで動作させることができるノードの種類には、次のようなものがあります。
- IOS
- IOS-XR
- IOS-XE
- vASA
- NX-OS
- クライアントやサーバ(Linux)
上記のほか、Cisco SD-WAN関係やF5、A10、Fortinetなどのノードも動作できるようではありますが、必要なライセンス等は今のところ把握できておりません。もし判明しましたら、内容次第ではありますがこのページなどで紹介したいと思います。
CML2の提供形態
エディション
エンタープライズ版とパーソナル版があります。エンタープライズ版は複数人利用が前提で、パーソナル版は個人利用を前提としています。 (まんまでしたね 汗)
エンタープライズ版は、いわゆる販社からライセンス調達を行うようです。パーソナル版は、ライセンスをCisco Learning Network Storeで購入することができます。
なお、この先はパーソナル版についてのみ解説します。
パーソナル版は、シミュレータ上に20ノードを動作可能です。パーソナルプラスですと40ノードを動作可能ですが、少々値段が上がるのと、それなりのリソースを持ったホストマシンが必要になってくるでしょう。
環境およびデプロイについて
シミュレータはOVAまたはISOファイルの形式で提供されます。ライセンスをCisco Learning Network Storeで購入し、同サイトのMy Accountからダウンロードページへ移動できます。
個人で使うには、VMware WorkstationをPCにインストールして、その上にOVAからデプロイするのがスムーズかと思います。ただし、シミュレータ上で動作させるノードの種類によってはそれなりにリソースを消費しますので(NX-OSなど)、一定の性能をもったPCを用意するのが良いと思います。参考までですが、私のノートPCは8コアCPU、32GBメモリです。CPUは特に重要かなと思います。データI/Oは大して発生しないと思いますので、ディスクはそこまで重要ではないかもしれません。HDD環境で動作させてみたことはないのですが、CMLに関係なく多くの方がSSDを既にお使いなのではないかと思います。
シミュレータ環境
前述のOVAによって、(おそらくDebian)Linuxのマシンがデプロイされます。シミュレータは、Linux上で動作するアプリケーションによって機能が提供されます。
シミュレータのGUIには、https://IPアドレス でアクセスできますので仮想マシンのIPアドレスをブラウザでたたいてください。
メンテナンスなどの操作が必要な場合になった場合は、CLIからコマンドを実行することもあるようですが、ほとんどの操作はGUIから実施することになるようです。
他のシミュレータとの違い
GNS3との違い
大きな違いは、次の2点だと思います。
- 自身でIOSなどのイメージを用意する必要があるかどうか
- 動作させることのできるホストの種類
GNS3では、利用者自身でIOSなどのイメージを用意する必要があります。しかも、がんばって用意してもそのイメージがGNS3上で使えるとは限りません。
パケットトレーサーとの違い
使ったことが無いので、どこかで試してみようと思います。
CML2を使うための準備
既に少々触れましたが、次のような準備が必要です。
- インターネットに接続できる環境
- CCOアカウントの作成(作成済みであれば不要)
- ライセンスの購入
- VMware WorkstationやESXiがインストールされたホストマシン